カラーグラフ 感染症グローバリゼーション・8
消化器系寄生原虫性疾患(2)—最近話題になっている消化管原虫症
西山 利正
1,2
1奈良県立医科大学寄生虫学教室
2奈良県海外渡航者健康相談事務局
pp.2223-2226
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904827
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前回は消化管原虫の中で最も病原性が強く,頻度も高い赤痢アメーバ症について述べたが,今回は最近話題になっている消化器系寄生原虫であるランブル鞭毛虫(Giardia intestinalis;従来G.lambliaと呼ばれていた),クリプトスポリジウム(Cryptosporidium parvum),大腸バランチジウム(Balantidium coli),プラストシスチス・ホミニス(Blastocystis hominis)について述べる.これらの原虫症は,一般的にはそれほど強い症状を呈さないが,後天性免疫不全症候群(AIDS),移植後の免疫抑制剤を投与されているような免疫能の低下しているヒト,小児などに感染した場合に,時に重篤な感染症を起こすことがあるので注意する必要がある.
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