頭頸部X線写真読影のすすめ方

はじめに

　頭頸部は大小種々の骨が複雑に絡み合って構築されており，一方向だけの写真では読影に限界があり，必ずといって良いくらい多方向撮影が必要とされる．したがって，その読影には多方向からの詳細な解剖学的知識が要求される．また頭蓋骨は新生児，小児から成人にかけて大きく変化するために，縫合の閉じる時期など，新生児，小児に特有な正常解剖を知っておく必要がある．

　頭頸部に限らず，どの部位の写真でも読影のすすめ方に特別なコツなどはなく，正常解剖を知り，正常の写真に慣れることが基本であることは周知である．次の段階として疾患を知ることである．強いて読影のコツを挙げるなら，疾患を知って読影することであろう．