今月の主題 Common Diseases リアルタイムの診断・治療手順
腎・尿路疾患
尿路結石
小出 卓生
1
1大阪大学医学部・泌尿器科
pp.708-709
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901476
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●初診時にまず何をすべきか?
尿路結石患者には,尿管への腎結石の落下嵌頓に伴う疼痛発作や結石に伴う尿路感染症を主体とした有自覚症状患者と,顕微鏡的血尿の検査中あるいは他の目的で行われた腹部超音波検査やX線検査で発見された無自覚症状患者がある.
第一線病院では,尿路結石患者の多くは有自覚症状患者である.それも,結石嵌頓に伴う癌痛発作患者が多い.まず行うべきは,可能なら尿路結石の既往の有無,癌痛発作の発現のしかたを問診し,ついで腹部の触診,検尿,検血,腹部X線撮影を行う.尿路感染症の合併がないものでは炎症所見に乏しく,腹部触診でも明らかな筋性防御はみられない.腹部X線撮影で結石陰影を同定できなくても,疼痛のわりには白血球増多がないか軽微であり,検尿で血尿が証明されれば尿管結石と考えてよい(検尿で血尿が証明されるとは限らない).
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