血液疾患診療メモ
急性白血病の病型診断のステップ
岡田 定
1
1昭和大学藤が丘病院・血液内科
pp.372-373
発行日 1991年2月10日
Published Date 1991/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900745
- 有料閲覧
- 文献概要
急性白血病の診断,病型分類は,白血病細胞の形態学的所見に基づいて行われ,French-Ame-rican-British(FAB)分類がもっともよく用いられている.FAB分類では,急性白血病は骨髄において芽球が30%以上増加することで定義され,芽球のミエロペルオキシダーゼ(MPO)陽性率3%以上なら急性骨髄性白血病(acute myelogenousleukemia;AML),3%以下なら急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia:ALL)と割り切って分類されている.AMLはM1〜M7,ALLはL1〜L3に細分類されているが(表1),モノクローナル抗体による細胞表面抗原の検索や電子顕微鏡的検索を行わないと,正確な病型診断ができない症例もある.
本項では,形態学的所見(細胞化学的所見)と細胞表面抗原の所見に基づいて,急性白血病の病型診断のステップを考えてみたい.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.