Japanese
English
主題 視覚
無脊椎動物の光受容機構—構造と機能
昆虫
Insect (Photoreception in Invertebrates: Structure and Function)
桑原 万寿太郎
1
Masutaro Kuwabara
1
1九州大学理学部生物学教室
1Department of Biology, Faculty of Science, Kyushu University
pp.192-202
発行日 1967年8月15日
Published Date 1967/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902735
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.昆虫複眼の構造と機能
1.光学系と視細胞
昆虫の成虫の主要光受容器は複眼である。複眼は個眼(ommatidium)といわれる単位構造の集りである。個眼は典型的な例を示せば第1図のような構造をもつ。もつとも表面には角膜レンズ(corneal lens)があり,複眼表面からみると,角膜レンズがビッシリつまつて六角形の網目にみえる。この角膜レンズを分泌する細胞はごく原始的なある種の昆虫を除いては,角膜レンズのつぎにくる円錐晶体(crystaline cone)の縁にあり,色素粒をふくみ,角膜色素細胞(corneal pigment cells)といわれる。
角膜レンズは近紫外部までの光を透過させるが,ある種の昆虫ではその表面は0.2μ程の高さの乳首状の突起でおおわれている。
Copyright © 1967, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.