今月の主題 再灌流療法時代の急性心筋梗塞診療
今月のglossary
山口 徹
1
1三井記念病院・循環器センター内科
pp.8-10
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900002
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●冠動脈造影の読み方
わが国では米国心臓学会(American Heart Association:AHA)から出された冠動脈疾患の精査を受けた患者の報告システム(Circulation 51:7,1975)に従って,冠動脈造影や左室造影の命名,病変評価がなされることが多く,AHA分類と称される,AHAでは各冠動脈枝をいくつかのsegmentに分けて記載するように勧めており,たとえば左前下行枝の近位部はsegment 6というように呼ばれる(図1).しかしこの呼称は米国ではほとんど用いられていない.
狭窄度は正確にはデンシトメトリーあるいはコンピュータ処理により実測するが,通常は視覚的なGensiniの分類に従い,25%,50%,75%,90%,99%,100%の6段階,あるいは99%狭窄を造影遅延を伴うものと伴わないものに分け7段階に評価し,「segment 6の90%狭窄」のように表現する.90%狭窄とは76%〜90%狭窄を指し,75%狭窄とは51%〜75%狭窄を指す.通常,狭心症を生ずる有意狭窄は75%狭窄以上で,実測70%以上を有意と取り扱う場合も多い.
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