書評
—森 雅紀,森田達也 著—Advance Care Planningのエビデンス—何がどこまでわかっているのか?
木澤 義之
1
1神戸大学病院・緩和支持治療科
pp.415
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227464
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10月の爽やかな週末に,旅のお供として本書を持って出かけ,楽しく読破させていただきました.ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の始まり,歴史,定義,エビデンス,最新の研究の動向を包括して学習できる良書だと感じました.
本書には,著者である森雅紀先生(聖隷三方原病院緩和支持治療科)の,誠実で前向きなお人柄が溢れ出ています.ACPという重くなりがちな話題を,穏やかな気持ちで読むことができ,そして重要な研究は仔細に検討され,著者とのインフォーマルなやり取り,豊富な臨床経験に基づきプラスアルファの情報が書き込まれています.著者の米国と日本での豊富な臨床経験と,書く力に基づいた記述は素晴らしく,特に英語に関して言えば,本書に出てくる複数のやりとり(例えばJoanne Lynn先生やRachelle Bernacki先生)のときには,実は私も同席していたのですが,アルコール(?)の影響も手伝って内容があやふやで,本書の記述を読んで「あぁ,それを話してたのかぁ」と思い至ることもあり,改めて森先生の能力の高さと見識の深さに感銘を受けました.
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