特集 膠原病・自己免疫疾患を「見える化」する
基礎から見える化する
骨免疫で関節リウマチを見える化する
山岡 邦宏
1
1北里大学医学部膠原病・感染内科学
キーワード:
関節リウマチ
,
骨免疫
,
破骨細胞
Keyword:
関節リウマチ
,
骨免疫
,
破骨細胞
pp.2158-2160
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227308
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Point
◎関節リウマチ(RA)ではリンパ球を中心とした免疫担当細胞が滑膜内に遊走し,炎症性サイトカインやケモカインの多量産生により炎症の慢性化と全身の骨粗鬆化を引き起こす.
◎RAでは滑膜内に破骨細胞様細胞が形成され,関節表面の皮質骨を浸食し,骨びらんを形成する.
◎RAにおける滑膜炎の慢性化には,抗原提示に優れる樹状細胞を前駆細胞とした破骨細胞(DCOC)が関与していると考えられている.
◎抗RANKL抗体(デノスマブ)は骨びらんの形成を防ぐことができるが,滑膜炎は改善できないため,生物学的製剤を中心とした炎症制御の下で投与すべきである.
◎ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬は免疫抑制だけでなく破骨細胞への分化を抑制する作用もあり,これまでの生物学的製剤とは異なる作用を有する薬剤として期待される.
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