増刊号 総合内科医の必修臨床問題182問
感染症
Question165 68歳の男性.主訴「胃癌術後の発熱」
羽山 ブライアン
1
1がん研究会有明病院感染症科
pp.417-418
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224838
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68歳の男性.
現病歴 食思不振と心窩部違和感との精査から胃癌が発見された.通過障害があるためすぐ入院となり,絶食+中心静脈〈CV〉カテーテルを挿入のうえで完全静脈栄養〈TPN〉管理下に術前精査などが行われた.入院の2週後に腹腔鏡下幽門側胃切除術が行われ,術後経過は当初良好に思われたが,術後4日目に38.4℃の発熱があった.腹部の症状や所見には乏しいもののCTの結果から微小な縫合不全が疑われた.血液培養2セット採取のうえ,メロペネム1gを8時間ごとの投与が開始された.翌朝の回診時には熱は37.5℃とやや下がっており,患者本人も「いくらか楽になった」と言っていたが,昼前に血液培養陽性の報告があった.
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