特集 抗菌薬の考え方,使い方—ホントのところを聞いてみました
座談会
抗菌薬の適正使用これまでの10年,これからの10年
笠原 敬
1
,
青木 眞
,
矢野 晴美
2,3,4
,
岩田 健太郎
5,6
1奈良県立医科大学感染症センター
2筑波大学医学医療系
3水戸地域医療教育センター
4水戸協同病院グローバルヘルスセンター・感染症科
5神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野
6神戸大学医学部附属病院感染症内科
pp.934-943
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224201
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知識は伝わったとしても,行動までは変わらない
笠原 抗菌薬について,普段,どのようなコンサルテーションがありますか.
岩田 現在,勤務する神戸大学病院では,年間およそ750例のコンサルテーションがあります.しかしIDATEN(日本感染症教育研究会)などで議論しているような感染症マニアは大学病院にはほとんどいません.大多数のドクターは感染症にあまり思い入れはありません.ほとんどの場合「なんだか患者さんの熱が下がらないので,診てください」,「いまの治療でいいかどうか,教えてください」といった依頼で,「ペニシリンはどう使うのか」というような勉強しているドクターが問いそうな質問はありません.僕がペニシリンについて質問を受けるとしたら,院外からのメールか,講演会場での質問くらいです.
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