連載 Step up腹痛診察・18
46歳男性,下腹部痛,血便
小林 健二
1
1亀田京橋クリニック消化器科
pp.386-389
発行日 2015年2月10日
Published Date 2015/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223131
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[現病歴]来院3日前から下痢が始まった.下痢の性状は水様で血液が混じっていた.下痢は1日2〜3回で量は多くなかった.また,血液は鮮血で少量だった.下痢と同時に臍のあたりの膨満感と,下腹部痛があった.下腹部痛の強さはNRS(Numeric Rating Scale)で2〜3/10で鈍痛だった.痛みは間欠的で,1回のエピソードは20〜30分持続し放散痛はなかった.腹痛の始まりは緩徐で,疼痛の誘因や増悪因子,寛解因子について,本人の思い当たるものはないという.発熱はなかった.5日前に職場の宴会で刺身を食べた.それ以外に加熱不十分または生の肉や魚類の摂食歴はない.最近3カ月間の抗菌薬の服用はない.約3カ月前にマレーシアへの渡航歴がある.
[既往歴]高血圧症,気管支喘息.
[常用薬]アムロジピン(アムロジン®),LABA+吸入ステロイド合剤(シムビコート®).
[社会歴]既婚.喫煙なし.飲酒:ワイン グラス1〜2杯/日,週3〜4日.
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