新薬情報
リドーラ錠〔スミスクライン藤沢〕—一般名:オーラノフィン—慢性関節リウマチ治療剤
清川 重人
1
,
水島 裕
1
1聖マリアンナ医科大学・第1内科
pp.748-749
発行日 1987年4月10日
Published Date 1987/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220921
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概略
慢性関節リウマチ(RA)の薬物療法は,即効性の抗炎症剤と遅効性の寛解導入剤に大別されている.金製剤は関節の骨破壊性病変の進展を遅らせることが示され,RAの自然経過を抑える可能性が考えられている寛解導入剤である.しかし,これまで金療法に使用されている注射金剤は筋注投与であること,副作用が多いこと,ときに思わぬ重篤な副作用の発症をみることなどの難点がある.
Smith Kline & French社は,経口投与が可能でかつ抗炎症作用を有する金化合物を探索し,1969年,毒性が少なく強力な抗関節炎作用をもつリドーラ(Ridaura)を見出した.リドーラは各種臨床試験より,注射金剤に比し有効性は変わらず,安全性に優れていることが認められている.注射金剤の適応は非ステロイド性抗炎症剤や理学療法などでコントロールできない進行性の活動性RAとされてきたが,リドーラによりRA発症早期から寛解導入療法が安全に行えるのではないかと期待されている.
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