臨時増刊特集 図解 診療基本手技
Ⅲ 救急手技
A 救急蘇生法
27.人工呼吸器の使い方
小澤 みどり
1
,
大村 昭人
2
1東京大学医学部附属病院・麻酔科
2帝京大学溝口病院・麻酔科
pp.2292-2297
発行日 1986年12月15日
Published Date 1986/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220686
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適応
急性呼吸不全は肺自体に異常がある場合以外にも,敗血症,低栄養状態,心不全,腎不全,肝不全,DIC,神経筋疾患,外傷,開胸・開腹術後など様々な背景が存在する.したがって人工呼吸器による呼吸管理が必要か否かを判断する基準は必ずしも検査データの数値だけに限られないが,大方の目安として,
Pao2<50mmHg(room air吸入時)
<70mmHg(酸素吸入時)
またはPaco2>50mmHg
の時は適応ありとしてよい.最終的には,患者の全身状態や検査所見から医師が臨床判断に従って決定すべきである.その際,人工呼吸器による管理は必ずweaningの可能性も考慮しなくてはならない.Weaningの見込みのない患者に適応すれば,患者やその家族に与える苦痛や負担が増大するばかりであることを忘れてはならない.
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