感染症メモ
急性咽頭炎
袴田 啓子
1
1東京都済生会中央病院・内科
pp.2105
発行日 1985年11月10日
Published Date 1985/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220036
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急性咽頭炎は細菌性のものもあるが,ほとんどはウイルス性である(表).細菌性の咽頭炎ではStre Ptococcus pyogenes(A群β溶血,溶連菌)によるものが最も重要で,ペニシリンが特効薬であり,合併症としてリウマチ熱と急性糸球体腎炎がある.
症状はウイルス性では一般に咽頭痛は軽く,咽頭所見では浮腫と充血がみられる.炎症所見がより強く,滲出液(白いクリーム状)の存在と高熱,頚部リンパ節の圧痛があれば,まず溶連菌による咽頭炎と考えられるが,表のように,アデノウイルス,EBウイルス,単純ヘルペスウィルス,Vincent's anginaでは滲出液もみられ,鑑別が困難なこともある.付随所見としては,アデノウイルスの結膜炎,嫌気性菌の扁桃周囲膿瘍などがある.
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