今月の主題 循環器薬の使い方
心不全
ジギタリスの使い方
西島 宏隆
1
Hirotaka Nishijima
1
1北海道大学医学部・循環器内科
pp.1172-1173
発行日 1984年7月10日
Published Date 1984/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219112
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ジギタリスは,その陽性変力作用のため古くより心不全の治療に用いられているが,その作用機序は十分な解明がなされていない.しかし,心筋細胞膜内に存在するNa+-K+-ATPaseを介して働くとされ,最終的には細胞内Ca2+濃度を高めることによって陽性変力作用をもたらすとされている.主要強心配糖体のうち3つを表に示した.筆者は使いやすさからもっぱらジゴキシンを使用しており,本稿でもジゴキシンを主にして述べることになるので,lanatoside C,proscillaridin,deslanoside,ouabainについては成書,文献を参照されたい.なお,最近発売になったメチルジゴキシンについては,ジギトキシンと同等のほぼ完全な腸管吸収,しかもジゴキシンとほぼ同等の排泄速度を有するとされ,ジゴキシンと比較して理論的に有利と思われるが,筆者自身比較して使用したことはない.
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