今月の主題 内科医に必要な泌尿器科の知識
検査法の知識
分腎機能検査法
川村 寿一
1
Juichi Kawamura
1
1京都大学医学部・泌尿器科
pp.2502-2506
発行日 1982年12月10日
Published Date 1982/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218065
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総腎機能と分腎機能
ある疾患において腎機能を問題にする場合,総腎機能としてと,分腎機能としての2つの評価法がある.前者の場合,両腎が等しく障害される疾患(急性・慢性糸球体腎炎,ネフローゼ,腎盂腎炎,免疫疾患に伴う腎症,糖尿病性・高血圧性.痛風性腎症など)や病状の進行とともに,あるいは手術を契機にして,間接的に腎機能に影響を及ぼすと考えられる疾患(心疾患,肝・胆道疾患,下垂体・副腎疾患,下部尿路疾患,薬剤性腎障害など)において用いられる.一方,後者の場合,偏腎性疾患,あるいは両側性であっても障害に左右差のある疾患(腎血管性高血圧,腎腫瘍,腎結石,水腎症,膀胱尿管逆流現象,下部尿路疾患など)において,患側腎の機能を知りたいときに用いられる.
しかし,分腎機能という場合でも,患側のみを問題にしないで,反対側(健常側)の腎機能との対比において,総腎機能のなかで分腎機能を理解することが大切である.
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