今月の主題 出血とその対策
血尿
小児科的血尿
山下 文雄
1
,
松尾 宏
1
Fumio YAMASHITA
1
,
Hiroshi MATSUO
1
1久留米大学医学部・小児科
pp.806-807
発行日 1981年5月10日
Published Date 1981/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217168
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子どもの血尿
溶連菌による急性腎炎とアデノウイルスによる出血性膀胱炎が,肉眼的血尿をきたす代表である.小児に多い紫斑病腎炎も紫斑病(Schönlein-Henoch症候群)の50%に血尿を伴い,遊走腎,水腎症のような奇形,稀に結石も成因となる.腎腫瘍(ウイルムス)も10〜20%に血尿を伴うが,特徴的症状ではない.運動選手でトレーニングのため血尿をみることがある.以前小児では慢性腎炎はきわめて少ないとされたが,最近,学校検尿や偶然の検尿で発見される多数の"無自覚性血尿"は,広義の慢性腎炎,またはその予備軍である可能性が強い.
自験303例を臨床的に分類すると(表1),「血尿のみ」,「血尿+蛋白尿」と症候(問題)名の記載にとどめざるをえないものが大部分をしめている.
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