臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
XIV.脈管造影法
6.腎・副腎血管造影法
平松 京一
1
1慶大放射線診断部
pp.1939-1947
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206930
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腎と副腎は異なった臓器ではあるが,その位置的関係ならびに血管系の密接な関係から,ここでは両者の血管造影法を同時に述べることにする.腎の血管造影はかなり以前よりdos Santosによる経腰的直接穿刺の大動脈造影により行われていたが,Seldingerによる経皮カテーテル法によって現在行われている大動脈造影や選択的な腎の血管造影が普及し,その血管解剖からみても種々の臓器の中で最も血管造影が診断上役に立つとされている.一方,副腎についても,動脈支配の複雑さにもかかわらず,技術の進歩に伴い副腎動脈の選択的な造影が可能となり,またMaroniやBuchtによる副腎静脈血カテーテル採取法が副腎静脈法へ応用されるに至って,副腎疾患の診断は後腹膜亢気法から血管造影へとその主流が移ってきた.
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