今月の主題 内科疾患としての先天性代謝異常
体質性黄疽をみたとき
その成り立ち
滝野 辰郎
1
,
坂中 俊男
1
,
高橋 示人
1
1京府医大第3内科
pp.928-929
発行日 1976年7月10日
Published Date 1976/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206638
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体質性黄疸は先天性ビリルビン代謝異常に基づく非溶血性の黄疸であり,Dubin-Johnson症候群,Rotor型過ビリルビン血症,Gilbert病,Crigler-Najjar症候群として知られている.これら疾患群の黄疸は溶血機転,肝細胞障害,肝内および肝外閉塞性機転の関与しない特殊な黄疸として注目されており,いずれも家族性に発生をみている.そのビリルビン代謝異常については,肝細胞による血中ビリルビンの摂取,肝内における移送と抱合化,毛細胆管への排泄の各過程においてなんらかの障害があるものと考えられる(図),ここでは主として,ビリルビン,BSP,ICGなどの色素代謝,肝内酵素,肝内褐色色素穎粒について考えてみたい.
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