ECG読解のポイント
発作的に起こる動悸を主訴とする57歳女性の例
知久 祝康
1
,
太田 怜
2
1知久内科クリニック
2自衛隊中央病院内科
pp.274-276
発行日 1976年2月10日
Published Date 1976/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206439
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患者 57歳女性. 初診 昭和44年11月19日. 主訴 発作的に起こる動悸.
既往歴,家族歴 物心ついた5歳ぐらいの時,右膝関節部の疼痛,腫張あり,夜間膝をさすってもらったことを覚えている.幼児期,小児期には年2回ぐらい咽頭痛と発熱(40℃)で臥床した.小学校4年の時,尿蛋白(+)といわれた.20歳,胃潰瘍,夫復員後,肺結核のため看病中に肋膜炎,腹膜炎に罹患した.当時,心悸亢進も時々あり,某大学K教授に診察をうけた.その後,夫は死亡した.昭和25年に某大学のM教授に,弁膜症であるが軽症のため手術の必要はないといわれた.その後はとくに治療もせずに普通の生活をしていた.昭和44年5月,夜間突然動悸がし,脈が速くなり,不安のため,救急車で某病院に入院し,点滴,セジラニドとベレルガルの内服をして,1週間で退院し,その後来院.
現症 身長164cm,体重50kg,NYHAⅡ度,胸骨左縁第3肋間にレバイン3度の拡張期雑音あり,心尖部に伝達音かレバイン2度の拡張期雑音聴取.とくに心不全徴候は認められない.
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