特集 これだけは知っておきたい検査のポイント
VIII.血液化学検査
β-リポ蛋白
中村 治雄
1
1慶大内科
pp.570-571
発行日 1975年3月20日
Published Date 1975/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205914
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異常値を示す疾患
まず,簡単にβ-リポ蛋白(β-Lp)の定義についてふれておきたい.それは,測定方法によって,意味するものが若干異なるからである.厳密にβ-Lp(狭義〉という場合には,超遠心法でSf 0〜20分画(低比重リポ蛋白)を指す.電気泳動法で,β-グロブリンに相当した部分のリポ蛋白分画に相当するものであるしかし沈殿を利用した方法(Dextran sulfate,Heparin-Ca,および免疫沈降を用いたβ-リポテストなど)では,表1に示す通り,超遠心法によるSf 20〜400(超低比重リポ蛋白),あるいは電気泳動法によるα2-グロブリン相当のpre-β-リポ蛋白をも共に灘定しており,両リポ蛋白を併せて,β-Lp(広義)と呼んでいる.それぞれに含まれる脂質成分が,やや異なるので,狭義のβ-Lpではコレステロールが,広義のβ-Lpではコレステロールと,中性脂肪が共に多く含まれることになる.
現在,最も簡易法として普及している多くのKitは,ほとんど沈殿を利用したものであり,したがって,広義のβ-Lpを指しているので,ここでは,それを中心に述べてみたい.表2にβ-Lp(広義)の異常値を示す疾患を示してある.
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