今月の主題 転換期に立つ検診
検(健)診実施上の問題点
成人健診
秋山 房雄
1
1女子栄養大保健学
pp.998-1000
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204856
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疾病発見の時代から健康設計の時代へ
現代はすべての領域において転換期の時代だといわれている.健康管理においてもその例外ではない.昭和30年前後まで,結核管理がそのまま健康管理であった当時と現代とを比較して,全く隔世の感が深く,本特集の目次をみただけでもその多様なことは驚くばかりである.しかし,それでは健康管理がよりよくなったかというと,すばらしく便利になった点もあるが,ますますやっかいな事態になった面のあることは否定できない.そのうちのいくつかをここで考えてみることにしよう.
このような転換期に遭遇して,今後の行路を誤らないためには,現在までの経過を十分に分析し,それをふまえた上での考察が必要であることはもちろんであるが,もう1つは健康管理あるいは健診の出発点に立ち戻って,本来健康管理は何を目的として実施すべきか,また健診は何のために行なわれるべきであるかを考えることが必要であろう.今さらそんなことをいうとは何ごとかといぶかる人もあるであろうが,しかし,このことは検査項目の選定,受診率の向上,事後措置といった一連の仕事の心棒となることであり,このことはますます多岐になると思われる今後の行路に不可欠なことであろう.
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