小児の診察
口腔
北山 徹
1
1関東逓信病院・小児科
pp.934-935
発行日 1973年7月10日
Published Date 1973/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204835
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口腔は体の内部の病態を容易に観察しうる唯一の窓口であり,小児の診察では口腔・舌・咽頭の検査は絶対に省略できない.ただし嫌うことが多いので,必ず診察の最後に行なうこととし,またできるだけ自然の光でみる習慣をつけたい.その所見によってわれわれは実に多くの疾患の診断上のヒントを得ることができる.例えば脱水症の判定に口腔粘膜・舌の乾きは重要なポイントとなるし,麻疹の早期診断にKoplik斑はあまりにも有名である.チェックポイントとしては奇形の有無,唾液分泌状態,口腔粘膜,舌の乾燥の有無,粘膜色調,発赤,粘膜疹,白斑,出血,滲出物,偽膜,舌苔,乳頭腫脹などであるが,日常小児の診療上よくみられる重要な口腔内所見と疾患との結びつきについて述べてみたい.
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