特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
VI.代謝糸
5.血漿蛋白異常よりなにを考えるか
高蛋白血症
阿部 正和
1
1慈恵医大内科
pp.1200-1202
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204252
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
もっと血清蛋白濃度の測定を
実地医家の方々は尿の検査はよくやられるが,血液化学の分析に関心をもっておられる方が少ないように思われる.これからは血液化学にもっと関心を寄せていただきたい.高蛋白血症といっても,血清蛋白濃度の測定を行なわぬかぎりは,見つける方法がないわけである.血清蛋白濃度の測定は,わずか1滴の血清と屈折計(蛋白計ともいわれる)があれば,瞬間的に,だれにでもできるのだから,ぜひ実施していただきたいものである.
この場合,ぜひ知っておきたいことは,血清蛋白濃度そのものを測定しているのではなく,血清の屈折率を測定し,その値に一定の係数をかけて蛋白濃度を求めているということである.だから,もし血清に屈折率を左右する物質が,蛋白以外にも存在していれば,正しい蛋白濃度は求められないことになるのである.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.