メディチーナ・ジャーナル=日医
ヨーロッパからみた日本の医療事情—武見会長,視察旅行を終え帰国
木島 昂
1
1日医広報
pp.1138
発行日 1969年10月10日
Published Date 1969/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202837
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日医・武見会長は,去る7月18日,パリにおける第23回世界医師会総会出席とヨーロッパ各国の医療事情視察(約1カ月)の旅を終え帰国した.空港での帰国挨拶以来,ヨーロッパ諸国の医療事情については理事会,日医ニュース,放送など数回発表された.その内容はファミリー・ドクターから産学協同,医学教育,薬品の包装の問題まで幅広い.ことに会長自身の視察と同時に,かつて在日し日本の医療に接した経験のある各国の知識人から,自国と日本の医療比較〜批判論を聴取した収穫は大きい.それらを総合すると,日本の開業医制度の長所,大学関連教育病院の不足と学閥支配,医療機関の機能分化の危険性などが浮きぼりにされている.つまり,ヨーロッパという外側から日本を逆にながめて,きびしく医療事情に価値判断を与えたことになる.2,3の問題点を私なりに拾ってみよう.
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