器具の使いかた
ネブライザー吸入療法の適応
藤本 淳
1
1大阪府立成人病センター呼吸機能科
pp.970-971
発行日 1968年8月10日
Published Date 1968/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202331
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肺における気道の役割は,機能を営む肺胞が直接外気に曝露されることから守ることである.気道は吸入気の温度・湿度を維持すると共に,深部気道では粘液分泌により自己清浄作用を営んでいる.したがって気道の疾病は外気の肺胞への流通を阻害し肺機能低下を生来する.気道の疾病に対する治療としては,経口的,経直腸的(消化管を通して),および筋肉内静脈内(血管内へ)注射により投与を行なうこともあるが,気道が外気と交通していること,換気により微粒子が気道深部に侵入することを応用して薬剤を撒布する方法も行なえる.これがネブライザー吸入療法というもので,その効用としてはさらに気道内に分泌されたもの(喀痰)に直接的に薬剤を作用させうる点から他の投与方法でははたし難い効果を発揮するということである1).今回はネブライザー吸入療法を,臨床の実際面でどのように活用されるべきかを考えてみたいと思うので,ご追試をお願いしたい.
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