連載 皮膚科×アレルギー膠原病科合同カンファレンス・18
悪性腫瘍に伴った皮疹
岡田 正人
1
,
衛藤 光
2
1聖路加国際病院アレルギー膠原病科(SLE,関節リウマチ,小児リウマチ)
2聖路加国際病院皮膚科
pp.1672-1676
発行日 2013年9月10日
Published Date 2013/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107004
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後期研修医(皮膚科) 今回の患者さんは,乳癌の治療目的で転院された37歳の女性です.今回の入院半年前にPET健診にて異常を指摘され,その後の検査で乳癌と確定診断され外科的治療と化学療法を受けられましたが,皮疹と肝障害のため治療中断となり当院に転院されました.治療開始前にも日光曝露により類似の皮疹の既往があります.皮疹は顔面の内眼角から鼻周囲にかけての浮腫性紅斑,中手指節関節(MCP)などの関節背面の丘疹性紅斑,爪囲紅斑,腰背部から臀部の浮腫性紅斑,大腿伸側の色素脱失と色素沈着を伴う萎縮性紅斑が認められています(図1).
後期研修医(アレルギー膠原病科) 悪性腫瘍合併という点では皮膚筋炎が想起されますが,発症年齢,日光過敏の既往からは全身性エリテマトーデス(SLE),そして病歴から薬剤性も鑑別に挙がりますね.一緒に診察させていただきましたが,筋力低下や近位筋の圧痛などはありませんでしたね.
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