連載 アレルギー膠原病科×呼吸器内科合同カンファレンス・9
全身性エリテマトーデスのred flag
岡田 正人
1
,
仁多 寅彦
2
1聖路加国際病院アレルギー膠原病科(成人・小児)
2聖路加国際病院呼吸器内科
pp.2222-2227
発行日 2010年12月10日
Published Date 2010/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104953
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後期研修医(アレルギー膠原病科) 今回は,呼吸器科の先生に大変お世話になった患者さんです.30歳の全身性エリテマトーデス(SLE)の女性で,これまでの発症から15年の症状は,皮疹,腹膜炎,関節炎,そして腎症は間欠的に軽度の蛋白尿が認められるのみでした.今回入院の1カ月前の受診時から全身の浮腫もあり入院治療を勧められていましたが,介護のため入院が難しいとのことで外来にてステロイドと免疫抑制薬を投与されていました.残念ながら,夜間に呼吸困難を主訴に救急外来受診され入院となりました(表1).入院時の胸部単純写真ですが,解説をお願いしてもよろしいでしょうか.
呼吸器内科医 胸部単純写真(図1)では,右側に著明な胸水貯留を認めます.中心陰影には明らかな所見はなく,肺野も胸水貯留以外の所見は目立ちません.CT(図2)で見ると,左側にも少量の胸水を認めます.右中葉と下葉は胸水貯留により無気肺となっています.ほかの肺野には明らかな浸潤影などはないですね.縦隔・肺門リンパ節の腫大もなく,胸膜の肥厚や不整もありません.呼吸器内科では,SLEで胸水というと,胸膜炎による胸水というイメージが強いのですが,胸腔穿刺の結果はどうでしたか.
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