書評
市中感染症診療の考え方と進め方―IDATEN感染症セミナー
山中 克郎
1
1藤田保健衛生大・内科学
pp.60
発行日 2010年1月10日
Published Date 2010/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104291
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「いだてん」って,韋駄天(増長天八将軍の一神,小児の病魔を除く足の速い神)? いやいや日本感染症教育研究会こそ「IDATEN」なのである.歴史は古くなんと…大野博司先生(洛和会音羽病院)がまだ研修医だった2002年に,麻生飯塚病院で始められた「病院内感染症勉強会」にさかのぼるという.現在は大曲貴夫先生(静岡県立静岡がんセンター)が代表世話人を務められ,年に2回感染症セミナーが全国で開催される.私は2008年の夏に参加させていただいたが,市中感染症のreviewを豪華講師陣から聞くことができ,実に充実した感動の3日間だった.
「IDATENセミナーの本が発売されるらしい」との噂を聞き,居ても立ってもいられず馴染みの本屋に注文した.「お~,これぞまさにIDATENセミナーではないか!」冒頭の「感染症診療の基本原則」では,青木眞先生が「発熱=感染症の存在ではない」こと,「CRPや白血球数上昇の程度=感染症の重症度ではない」ことを熱く語られる.
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