連載 見て・聴いて・考える 道具いらずの神経診療・1【新連載】
問診表のウラを読む
岩崎 靖
1
1小山田記念温泉病院 神経内科
pp.157-161
発行日 2008年1月10日
Published Date 2008/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103190
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連載を始めるにあたり
「神経内科の診察,特に神経所見の取り方は非常に難しく,時間もかかる」,と研修医や他科の先生方は考えている.実際,われわれ専門医であっても神経内科所見の取り方は非常に難しいが,全例で詳細に神経所見を取るわけではない.「外来診療の場で,神経疾患が疑われる患者を診たときに短時間で正確な診断や病変部位の特定ができるようなコツはないですか?」という質問を受ける機会も多い.「そんな便利なコツはありません.神経内科疾患が疑われたら神経内科専門医に紹介してください」と答えているが,もう少し問診,身体所見を取って,鑑別診断をしてから神経内科に紹介してほしいと感じることも多い.
今回の連載では,神経内科を専門としない先生方に向け,適切な問診,病歴聴取,身体診察に焦点を当て,日常の診察室のなかで,患者の訴えや動作のなかに現れる注目すべきサインを見逃さないように,神経内科専門医には当たり前のことだが非専門医は意外と知らない重要なこと,少ない質問で診断がつくちょっとしたコツ,自己流でしている診察法など,実例を挙げて概説してみたい.
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