今月の主題 内科外来でみるウィメンズ・ヘルス
ライフステージごとにみる諸問題【更年期・老年期】
Topic5 エストロゲン治療は有用か,避けるべきか
松島 雅人
1,2,3
1東京慈恵会医科大学 内科総合診療部
2東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター・臨床研究開発室
3東京慈恵会医科大学 教育センター
pp.2254-2255
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103125
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■1つの臨床試験が医師の行動を変えた?
閉経後のホルモン療法(hormone replacement therapy:HRT)は,以前には冠動脈疾患や骨粗鬆症を予防するための治療として普及していた.これは観察研究によって,HRTがこれら疾病に予防的な効果をもつことを示唆していたためである.
しかし,2002年に米国で行われたWomen's Health Initiative Study(WHI Study)の一部の結果が発表され1),HRTを取り巻く医師の行動パターンは激変してしまった.米国のデータによれば,2002年7月,WHI Studyの成績が公表されると,その後の1年間のHRTの処方は38%も減少し,特にこの研究で使用されたconjugated estrogen-medroxyprogesterone acetate regimenは74%も減少した2).
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