特集 文化と健康生態・1
健康生態—特集企画の立場から
林 謙治
1
1国立保健医療科学院
pp.636
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902804
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日本列島は縦長に寒帯から亜熱帯まで延び,気候条件に大きなバラエティがみられる.また,地形的にも陸地に起伏が多く山地に富み,四方海に囲まれた島嶼国である.これらの自然条件の違いによって,さまざまな文化や生活習慣が生み出されてきた.近代産業の発展によって,社会・経済的に日本全国はかなり均一化してきたとは言え,太平洋ベルト地帯と裏日本,都会と農山村,北の国と南の国,陸と島とでは,そのライフスタイルはやはり特有なものがある.それを反映して,健康面にも影響がみられることは多くの地域保健活動報告から窺い知ることができる.
健康指標をみると,今なお地域格差が目立ち,これに取り組むべく生活圏をベースに地域医療計画が立てられたはずであった.しかし,現実的には二次医療圏の設定が諸条件の制約により容易でなかったようだ.とりわけ,地域の生活条件の違いが足かせになったであろうと思われる.
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