特集 地域における生活廃棄物対策
一般廃棄物焼却による有害化学物質対策とその削減
香山 不二雄
1
1自治医科大学保健科学講座環境免疫学・毒性学部門
pp.225-228
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902269
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ここ数年,産業廃棄物の処理業者が集中する所沢市でダイオキシン汚染の問題が一般市民レベルでよく知られるようになった.その後,行きすぎたマスコミ報道もあったが,全国レベルでゴミ処理の過程で発生する環境汚染に対する意識の高まりが起こった.現在の一般家庭廃棄物処理では,大部分が焼却処理が行われ減量化され最終処分場で埋め立て処分がなされている.その燃焼過程でダイオキシンが産生されることが広く知られるようになった.そのため政府は,ダイオキシン対策関係閣僚会議において平成11年3月30日にダイオキシン対策推進基本方針を公表した.ダイオキシン問題は将来にわたって国民の健康を守り環境を保全するために対策をいっそう強化しなければならない問題である.これまでの廃棄物対策は,環境保全の立場から重金属の土壌汚染問題や,リサイクルの推進のため資源ゴミの分別収集などの対策がとられているのみであったが,ダイオキシン問題の出現のためにこれまでとは違った対応をしなければならない事態となった.これらの視点で現在の問題について検討してみたい.
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