特集 産業精神保健
欧米の産業精神保健
原谷 隆史
1
,
藤田 定
2
1労働省産業医学総合研究所
2刈谷総合病院精神科
pp.783-785
発行日 1996年11月15日
Published Date 1996/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901588
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産業精神保健の国際動向
最近,産業精神保健は欧米においても極めて重要な課題となってきており,会議や出版が多く行われている.まず産業精神保健に関する国際動向を簡単に紹介する.
国際労働事務局(International Labour Office:ILO)では,ストレスを労働衛生における重要な健康問題として認め,これまでにも職業安全保健シリーズなどでストレスや心理社会的要因を課題として取り上げ出版してきた.最近では,1992年のConditions of Work Digestで職場のストレス予防の特集を組んだ1).その中で19のストレス予防の事例研究が9カ国(アメリカ,スウェーデン,ドイツ,イギリス,イタリア,カナダ,メキシコ,日本,インド)から報告され,個人に対する対策よりも労働環境や作業の改善のほうが効果的であったことが示された.
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