海外事情
保健・医療・福祉を統合した米国の高齢者終身ケアコミュニティの現状
窪田 昌行
1,2
,
馬場園 明
3
1佐藤工業(株)ヘルシィライフ事業開発部
2岡山大学医学部衛生学教室
3九州大学健康科学センター
pp.560-565
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901324
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115年,85年,75年,これらの数字は,それぞれフランス,スウェーデン,アメリカにおける人口の高齢化の年数(65歳以上の人口比率が7%から14%に到達するのに要する年数)である.日本の人口の高齢化の年数は25年に過ぎない1).また,2010年には,人口の21.8%が65歳以上の高齢者となり,その後,さらに高齢化は加速し,2025年には人口全体の27.3%が65歳以上の高齢者になると推計されている2).
高齢化に伴って,老人医療費は年々増加し続けているが,限られた資源を有効に活用する必要があり,この対策の一つとして,保健・医療・福祉サービスを継続して包括的に提供していく必要がある3).さらに,いままで介護の中心であった女性が,社会へ進出したり,若者,中年層が彼らの父母と別居する形が多くなり,一人暮らしの老人がますます増加する傾向にある.一方,高齢者は生活の質を,ますます求めるようになってきた.
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