特集 地方自治体はどのように地域保健を推進するか
高齢化先進県における地域保健の課題
芝池 伸彰
1
,
竹内 俊介
2
,
関 龍太郎
3
1島根県健康福祉部
2島根県能義保健所
3島根県健康対策課
pp.245-248
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901237
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はじめに
島根県は人口約77万人,59市町村からなり,東西約230kmに及ぶ県土を有している.県内には多くの山間へき地や離島があり,これらの地域では若年層を中心とした人口流出による過疎化が進行し,38市町村が過疎法の指定を受けている.平成5年の統計では,合計特殊出生率は1.82で全国平均の1.46を上回るものの,出生率は9.0で全国平均の9.6を下回り,出生数が死亡数を下回る「自然減」を記録した.また,総人口に占める65歳以上の老人の割合は20.4%(平成5年10月)で,全都道府県で最も高齢化が進んでいる.このまま推移すれば,平成12年の老人人口の割合は約25%となり,全国より15年も早く超高齢化社会に到達すると予測されている.
これらの状況から,本県では県政全体として「若年人口定住のための対策」と「高齢化対策」が最重要課題として位置付けられ,保健・医療・福祉各施策の積極的な展開が,とみに強く求められてきている.
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