調査報告
健康診査の機会を活用した高コレステロール血症のNCEP(National Cholesterol Education Program)に基づく健康教育
足達 淑子
1
,
仲宗根 信枝
2
,
目野 俊子
3
,
大隈 千鶴子
3
,
新二日市 弘美
3
,
田上 昭夫
3
,
入江 玲子
4
Yoshiko ADACHI
1
,
Nobue NAKASONE
2
,
MENO・Toshiko
3
,
OHKUMA・Chizuko
3
1福岡市早良保健所
2福岡市中央保健所
3福岡市東保健所
4福岡市千代隣保館
pp.132-137
発行日 1992年2月15日
Published Date 1992/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900527
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●はじめに
1988年,米国のNational Cholesterol Education Program委員会は高コレステロール血症(以下高Chol血症)に関するNIH*のコンセンサスを発展させて,一般医向けの明快で実際的な新しい指針(NCEPと略)1)を発表した.高Chol血症の治療の第1選択は,食事療法であり,Framingham Studyはこの指針の食事療法によって薬物療法の適用者を,米国の男性では35%から7%に減少させることができると試算している2).日本では老人保健法による健康診査で多数の高Chol血症者を発見し教育や指導を行っているが,その効果については報告も少なく不明な点が多い.高Chol血症に限らず,成人病の予防や健康増進には生活習慣の変容が不可欠であり,欧米では行動科学をその手段として用いている3).
行動療法は,行動科学に基づいて不適応行動を減らし,適応行動を形成ないし増加することを目的とした治療法4)であり,精神科領域から一般医学に応用した行動医学や予防医学にまで適用が広がり,その効果が期待されている5).
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