特集 総合相談窓口
二戸保健所における相談機能と連携—新しいビジョンと活性化
宮川 慶吾
1
,
小原 孝子
1
Keigo MIYAKAWA
1
,
Kouko OBARA
1
1岩手県二戸保健所
pp.611-614
発行日 1990年9月15日
Published Date 1990/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900170
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■はじめに
保健所において,対物・対人サービスの一層の向上・充実を期し,従来からの各種相談事業に加え,さらに総合的で弾力的な住民ニーズに対処した機能の見直しが注目されている.とくに財政力とマンパワーの恒常的な欠乏に悩む市町村の自立を助ける要のある県型保健所にあっては,相談担当者の明確化,必要な情報の収集選択,整理共有等,保健所自らの相談受け入れの整備のほか,福祉等の関係機関・諸施設との連携を一層有機的なものとするとともに,将来は保健所の情報データベースをも活用した窓口でなければ,地域住民からの信頼と期待を裏切ることにもなりかねない.
岩手県二戸保健所では,二次医療圏の保健医療計画を平成2年2月に策定し,地域の諸課題の解決と計画の実現に向け,市町村・諸機関および団体等と共に成果を上げつつある,時あたかも岩手県保健所長会から「保健所機能の見直し」(素案)がまとめられ,近く発足予定の県地域保健検討委員会へ寄せられた.いわば現場責任者の声とでもいい得る20項目の検討・留意事項中,「総合相談窓口」と「在宅医療推進」に関わる項目が,県型の特定保健所構想とともに最も注目された,これに加えて今回は,総合相談窓口の機能と連携を時代に合わせたニュー保健所将来構想の重要支柱となるように,筆者らの行った2事例「ヘルスカードによる検診連携」,「アルコール症連絡会議」を紹介し,少しでも保健所の活性化にお役に立つなら幸いと考えている.
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