特集 災害時の公衆衛生活動
扉
pp.629
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208499
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災害時の公衆衛生活動の起点は1995年の阪神・淡路大震災と言えます.それは地域保健制度改革,医療制度改革,介護保険制度の成立など災害時の健康支援活動に関係する社会的な基盤が整えられ始められた時期に発生した災害であったからです.災害時の公衆衛生活動は新潟県中越地震の頃にはマニュアルが整えられていました.しかし,東日本大震災のような広域的,複合的な巨大災害に見舞われた被災地では,これまでのやり方では被災者の健康支援の目的を果たすことができませんでした.
日本列島は,4枚のプレートの境界に位置する世界有数の地震多発地帯に位置しています.そのため南海トラフの周辺を震源とした巨大地震など東日本大震災以上の大規模災害が発生する可能性があります.本年4月に熊本で内陸型地震が発生しましたが,今後も予期しない活断層の動きによる直下型地震発生の可能性があります.台風,豪雨,土砂・土石流,火山噴火,竜巻などの災害は日常化しています.近年も2014年8月豪雨による広島の土砂災害,2015年9月豪雨による鬼怒川堤防決壊などがありました.日本のどこで災害が起こるかもしれないことを示しています.
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