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英国における風力発電を取り巻く実状—HIA(Health Impact Assessment)に着目して
森松 嘉孝
1
,
久保 達彦
2
,
藤野 善久
2
,
原 邦夫
3
,
石竹 達也
1
1久留米大学医学部環境医学講座
2産業医科大学公衆衛生学講座
3帝京大学大学院公衆衛生学研究科
pp.527-530
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208472
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英国の再生可能ネルギーの比率は3%であり,これは日本の割合と同様で,欧州先進国のなかでも低い(図1).2009年6月に公布された「EU再生可能エネルギー促進指令」1)では,2020年までに自国の最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を15%とする目標が義務付けられ,英国ではこの目標を達成するために,電力における再生可能エネルギーの割合を2010年の9%から2020年までに31%へ拡大する方針を示した2).この計画の柱は風力の大幅拡充であり,洋上風力は現状(2009年)の約9倍,陸上風力は現状の約4倍を見込んでいる(図2).そこで今回われわれは,英国における風力発電事情を健康影響予測評価(Health Impact Assessment;HIA)の視点から視察を行ったので報告する.
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