日本列島
第4回健康づくりフェスティバル開催
藤島 弘道
1
1長野県衛生部保健予防課
pp.639
発行日 1986年9月15日
Published Date 1986/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207337
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長野
長野県では,60年11月8・9日,長野市において「健康と環境衛生向上のつどい」の一環として,健康づくりフェスティバルを開催した.県民文化会館で行われたシンポジウム・記念講演には900人,西友川中島店で行われた健康づくり広場には,延べ2万人を越える参加者で盛会であった.
シンポジウムは,松村満美子さんの司会で行われた.東京家政大の苫米地教授は,人は健康のために生きるのではなく,人生を明るく過ごすための基礎が健康であるとし,生理的老化を治す事は難しいが,栄養・運動・ストレスを含む心の問題を適正に行う事により,老化を延ばす事はできると説明し,一人一人の創意工夫で,個人でも地域社会としても,健康と豊かさを築き上げ得るのだと呼びかけた.東大の豊川助教授は,食べる人・作る人等と言葉の遊びに振り回されすぎる.栄養素や料理を食べるのではなく,生物としての人間が,生命の根源を食べるという心が要求される.夫が厨房で妻を手伝う事が大切なのではなく,妻がいきいきと喜んで食事作りをする雰囲気を作る事が,生活の中での食事作りという意味だと主張された.信大の藤沢助教授は,運動とは労働以外の身体活動を指すとし,運動には本来遊びの要素が必要で,それがあるからこそ運動による身体の解放が,心の解放につながると指摘した。久里浜病院の河野院長は,心の健康のために,身体の健康は大切であるが不可欠ではない.
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