特集 かびと健康障害
かびの臨床疫学
原田 誠一
1
Seiichi HARADA
1
1日本医科大学皮膚科学
pp.456-461
発行日 1980年7月15日
Published Date 1980/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206111
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■はじめに
かびによる疾患は極めて多種にわたる.近年,抗生物質の投与,コルチコステロイド剤の使用頻度が高まるにつれて,一つは菌交替現象として,また一つは宿主の抵抗性の減弱につれて,かびによる疾患が急激に増加している.しかも,かびは諸種の薬剤に対して一般に抵抗が強く,ひとたび生体において病原性を発揮すると,菌を容易に死滅させることができない.大変やっかいなしろものなのである.
かびによる疾患は極めて多種であり,これをいちいち述べることはできない.筆者はその専攻するところが皮膚科学である関係上,主として皮膚科領域におけるかびの疾患について述べようと思う.
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