講座 臨床から公衆衛生へ
伝染性眼疾患
森 茂
1
1日大眼科学
pp.570-571
発行日 1979年8月15日
Published Date 1979/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205905
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はじめに
今日,眼科領域において,伝染性眼疾患として挙げられるものは,主としてウイルス性眼疾患であり,かつ伝染の原因となる分泌物などを直接外に排出する結膜疾患が,大部分を占めている.しかし,伝染性疾患であっても,これらがすべて重症な経過をとり,また重篤な予後を有するものではないが,一過性にしろ,患者に苦痛を与え,かつ,これが伝染力を有して,多数の人間に広がれば当然,予防対策が必要であろう.また,ウイルス感染症では,見かけ上,単に眼科的な一過性の感染症と思われるものでも,後に,全身的感染症として思わぬ影響が出現して来ないともかぎらない,ということを十分に配慮し,長期にわたる検討も必要であろう.
以下に,伝染性眼疾患のいくつかを挙げて述べてみよう.
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