特集 地域精神衛生活動
地域精神衛生活動と保健施設—地域精神衛生協議会を中心として
大野 信二
1
,
稲垣 保男
1
1東京都小平保健所
pp.185-188
発行日 1979年3月15日
Published Date 1979/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205798
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■はじめに
昭和26年のクロルプロマジンの発見につづいて,各種の向精神薬がつぎつぎに開発され,それまでは不治の病として考えられ勝ちであった精神障害も,早期発見,専門医による的確な治療に併せて,十分なアフターケアに恵まれれば,きわめて高い社会復帰の可能性が期待できる,といわれるようになった.まさに精神障害治療の革命といっても過言ではあるまい.したがって,旧来の隔離主義,入院至上主義は過去のものとなり,代わって"施設外・地域内治療"の考え方が浮上し,精神障害者に対しては予防,治療,アフターケアと,一貫した治療体系が要請されるようになったのである.
このような時勢のなかで,昭和40年に精神衛生法の改正によって,地域精神衛生行政は保健所の担任するところとなった.すなわち,地域の精神衛生に関する問題の把握,精神衛生相談,精神衛生教育,地域関係機関との連絡調整などが,日常業務として課せられたのである.ちょうどその頃,急激な人口増加によって高まった行政需要に対応して,昭和41年4月1日,小平市と東村山市を管轄する東京都小平保健所が誕生した.
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