特集 保健計画—組織と運営を中心に
保健計画における専門家の教育訓練—国連・アジア開発研究所のワークショップを中心に
橋本 正己
1
1国立公衆衛生院衛生行政学部
pp.134-138
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205140
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はじめに
国の保健計画National Health Planningが,各国政府の切実な関心事となった1960年代の初期以来,WHOは従来の努力を発展させて主題の推進に積極的な努力を傾け,各国はそれぞれのとりくみによって真剣にこの課題にとりくんできた.その実態は文字どおり試行錯誤の観が深いが,最近10余年間の各国のきびしい経験の中から生まれた重要な認識は,政策決定における恣意性を排除するために,政策決定者に対して幾つかの代替策とそれらの長短を提供するplanningは,政治的環境の如何を問わず価値あるものであり,したがって保健プランナーは,保健政策の策定に重要な役割を演ずる,ということである.国の保健計画に関する教育訓練については,60年代の後半以降WHOの各地域事務局レベルで,会議,セミナー,訓練コースの実施など積極的な努力がなされており,日本の属する西太平洋地域WPROにおいても1968年以来,毎年3カ月のコースが開かれ,日本からも毎回1〜2名が参加している.この主題については,1969年秋,WHOの国の保健計画に関する専門家委員会が開かれ,その報告書が"Training in National Health Planning"(WHO-techn. Rep. Ser.,No. 456,1970)として刊行され,ガイドラインが示されている.
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