北から南から
岐阜市のクロム汚染無気味に進行
K
pp.65
発行日 1972年1月15日
Published Date 1972/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204413
- 有料閲覧
- 文献概要
岐阜市の家庭井戸のクロム汚染は5月上旬明るみにでました.全市的に井戸水検査をすすめた結果,3地区で285戸の井戸からクロムを検出.うち67戸は飲用基準0.05PPMを越え,飲用禁止措置がとられました.この汚染源は,岐阜県,岐阜市などの調べで,各地区にある3つのメッキ工場と断定,県が工場の排水設備などの改善命令を出すとともに,汚染井戸は企業負担で水道にきりかえることで一応落着をみた.
しかし,市公害課としては汚染地区住民の健康診断と汚染井戸の調査を保健所と協力して継続的に行なうこととし,健康診断は毎月1回すでに4回実施されました.さいわい現在クロムによる健康障害と思われるものはみあたらない.一方,飲用基準をこえていた汚染井戸の2回目の調査をし,このほどまとまった検査成績では,4月当時,飲用基準をこえた井戸65本のうち,前回のクロム濃度を上回ったもの21本,下回ったもの43本,変化のなかったもの1本で,前回濃度を下回った井戸の方が多かったが,基準値0.05PPMより低く,飲用してもさしつかえない井戸は全体で10本にすぎない.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.