名誉会員を訪ねて・9
冨士貞吉先生にきく
pp.434-439
発行日 1963年8月15日
Published Date 1963/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202700
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日本家屋の衛生学的研究
編集部どうも先生,お忙しいところをありがとうございました。いままで,衛生学会の名誉会員の先生方にずっと先生方の御経験をお伺いして参り,いろいろ御抱負などお伺いしたのですが,本日は,先生に御旅行の途ゆお寄りになって頂いて,お疲れのところ恐縮でこいますが,これからいろいろ伺わせて頂きたいと思います。京都大学を御卒業になられまして,直ぐでございますか,戸田先生の研究室にお入りになりましたのは。戸田先生のところでは,最初はどういうような……。
冨士最初は私は,日本家屋の衛生学的研究というテーマをもらったわけです。その当時,横手先生の方では矢追秀武さんが,おなじように日本家屋の模型を作って研究を始めておられたのですが,途中で矢追さんは伝研の方にかわられました。私の方は,日本家屋の衛生学的研究をつづけてまいりました。その当時,戸田先生は,フランスから帰られまして,井水の塩素消毒を始めておられたわけです。藤原九十郎さんが,畳のフォルマリン,鋸屑消毒をやっていました。そういうようなわけで,戸田先生は純日本の衛生学をやろうというわけで,私に日本家屋の衛生学的研究のテーマを与えられたわけです。
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