綜説
Windscale第1号炉の事故について—特にその環境汚染について
宮永 一郎
1
1日本原子力研究所保健物理部放射線管理室
pp.465-470
発行日 1959年8月15日
Published Date 1959/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202169
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I.まえがき
Windscaleの原子炉の事故について,「公衆衛生」の立場から書くようにという編集者からの依頼であつたが,筆者は公衆衛生学については全くの素人であるので,事故の資料を提供して,読者の参考にしたい。ただその場合,紙面の都合もあり,事故の原因や従業員に対して取られた放射線防護の手段とか,健康管理のための措置などよりも,主として,一般大衆に関係した環境汚染について述べる方がより適当であると考えたので,独断で副題をみられるように選んだ。
一般に大きな原子力施設では,その規模に応じて,構内の相当広い範囲までの環境汚染を常時管理している。日本原子力研究所でも,野外管理という部門が保健物理部放射線管理室内にあつて,絶えず環境のbackgroundの測定を行なつている。
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