特集 高血圧の疫学
岡山県における高血圧の現状
岩崎 辻男
1
,
安江 正子
2
,
伊達 寛子
3
1岡山県衛生部公衆衛生課
2岡山県衛生部公衆衛生課栄養係
3岡山保健所人間ドツク
pp.119-122
発行日 1959年2月15日
Published Date 1959/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202094
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1.はじめに
岡山県の中枢神経系の血管損傷による死亡は大正年間には結核と肩をならべ,大正14年には死亡の一位を占めその高率のまま横這いの状態を示していたのが,戦時中一挙に低下し結核とその位置を変えていたが,再び上昇を示し,昭和26年以来全国平均と等しく,常に他の老衰,癌等の成人病と共に首位を占め,とどまることなく上昇し,このまま放置すれば戦前最高の昭和14年に迫るのも程遠くないという感じを抱かせていた。岡山県衛生部は昭和29年来,県南部,赤磐郡山場町,県北部,真庭郡新庄村の二地区に高血圧を中心とする精密検診,栄養調査等を冬季,夏季にわたり行つていたが,この調査をもとにして昭和32年には,県下18保健所を中心として,町村別,脳卒中訂正死亡率に基き,多発地区より順次岡山大小坂内科,赤木眼科,日赤眼科の協力の許に検診を行つて来た。
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