特集 保健所管理
保健所管理についてのセミナー
2.保健所運営(その2)—予算管理を中心として
北城 潔
1
,
北野 博一
1
,
栗原 忠夫
2
,
奥山 三四吉
3
,
橋本 正己
4
1厚生省公衆衛生局保健所課
2神奈川県衛生部医務課
3大阪府衛生部監理課
4公衆衛生院衛生行政学部
pp.35-37
発行日 1959年1月15日
Published Date 1959/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202072
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発題講義の要旨
奥山三四吉講師
資料「保健所における予算態容と配分上の諸問題」公衆衛生第22巻8号(昭和33年8月)を中心として,大阪府衛生部における保健所予算の編成,配分,執行の経緯,現状,問題点等について説明。まず予算編成の基礎となる財政の原則としてF. Newmark(仏)の学説〔①公開性の原則,②明瞭性の原則,③事前承認性の原則,④厳密性の原則,⑤単一性の原則,⑥ノンアフエクシヨンの原則,⑦完成性の原則〕及びH. Smith(英)の学説〔①計画性の原則,②責任性の原則,③報告の原則,④手段具備の原則,⑤多元的手続の原則,⑥裁量性の原則,⑦時期弾力性の原則,⑧予算機構の綜合性の原則〕等を紹介,現実がこれらの原則と隔りのある点を指摘,大阪府衛生部における着眼と改善の経過を述べた。
大阪府においても実績主義が一般常識として慣習的に行われていた。保健所予算についても,国と地方公共団体の予算編成の時期的なズレ等で予算の裏づけのない事業ができることもあり,また,例えば衛生監視業務,認許可等法律で義務づけられた狭い意味の行政行為に必要な予算が不充分なために保健所として最も重要な指導的な業務のための予算がこれに喰われる傾向があつた。そこでこれらの不合理を是正するために,財政の原則,交付税の配分方式等を分析しこれを参考として予算の配分の合理的な基礎を見出すために努力を重ねた。
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